U2 魂の歌を求めて WALK ON: THE SPIRITUAL JOURNEY OF U2





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ストックマン 魂の叫び

 牧師さんである著者により、主にU2の「キリスト教」という面にスポットを当てて書かれ本。
 まずこの著作は著者が直接バンドに取材して書かれたものではありません。多くの取材記や逸話などからバンドの発言が抜粋されていますが、一部直接裏を取ったわけではなく牧師の視点から見て、彼らはこういう人間だという憶測も多々あります。歌詞の解釈についても非キリスト教徒からすると、いちいちそんなに神とからめて解釈しなくてもいいのではと思う部分も無くはないです。例えば「Last Night On the Earth」はバンドが出会った妙にハイテンションな女の子が数ヵ月後に自殺してしまった、というエピソードから生まれたという説もあり、その場合単に自暴自棄について歌った詩で、著者が言うような神に全てを差し出しなさい、という内容はバンドが意図したものではないのかもしれません。
 まあそうは言ってもU2は聞き手にいろいろな解釈の余地を与えるところがツボではあるので、我々には無いキリスト教的な視点からの解釈は読んでいて単純に面白いと思います。バンドのキリスト教的なバックグラウンドはファンにはお馴染みですが、そこのところには、当然他で見られないほどより深く食いこんでいます。
 Bonoはこんな考えを持った人間なんだと言いながら、著者の意思表示をしているのではないかと思わってしまったりもしますが、それでも面白いし、何せU2ファンならば彼らを最高のキリスト教徒と讃えるも著者に共感できるとのではないでしょうか。
U2への中傷や疑問点などに対する、すべての回答がここに。

パズルが解けてゆく感覚です。知っていたつもりのU2の一つ一つの音、映像が違って見えるようになりました。

U2はミュージシャンである前にひとりのクリスチャンであった―そこに全てのU2への疑問の回答があるように思えました。だからジュビリー2000なのであり、エイズ撲滅への行動やアムネスティ活動なのであり、だから「終りなき旅」(福音派は理解できないようであるが)はゴスペルでなければならないのだと。そして彼らがクリスチャンであることと、その宗教の弊害との間で、福音派の影響をそれほど受けずにすんだという、最も奇跡的偶然に生れたことが、またU2の純粋なるアイデンテイティをも生んだのです。(「ROCKIN'ON」などでは、異なる宗派の親を持つ偶然。「MOFO」「I WILL FOLLOW」などで描かれる母との死別。引き割かれたプロテスタントとカトリックの現実。ここまでしか書かれていません。)

だから彼ら、特にBONOの姿は、いつも偽善とかパフォーマンスとかいう目でみられがちだけど、一人のクリスチャンの「神」との対話の中の行動ならば、至って自然なんだなと思えました(教会との規範は別として)。実際指をくわえて何もしない批判家を尻目に、彼の行動とは聖書の教えを実践しているシンプルなものだし、そこに困ってる人がいればパンをわけあたえるのは当然のことであり、行動する人間としない人間の差があるだけだと、思っています。またそうした姿は確かに牧師の著者が言うように、現代版キリストの弟子であるようでもあります。それがロックの態度で行われるから協会は嫌がる一方、現実を動かせる力があるのでしょう。

さて、遠い未来U2がビートルズのように語られ始めるとき、「宗教」とは違う彼らの「神」と音楽の関係を日本人はどう表しているだろうか、と思いました。おそらく誰もそこには触れられないのかもしれない、ただただ、いくら売り上げたとかそんなことしか、日本人は規範に出来ないでしょう。
だからこそ、この本にある「普通の歌手は、女(愛)、世界、神の順番に歌ってゆくのに、U2はまず最初に神、そして世界、ようやく12年目で女(愛)をうたうのだ」
とのROCK50年で最も稀有な例を、どのロック雑誌にも載らない内容のこの本で確かめてください。このクリスチャンだからこそのロジックにまでは誰も触れられていないのですから。
向かい風の中で旅を続ける魂

“宗教色が強くて胡散臭い”と言われることも多いU2の歌詞について、牧師さんが書かれた本です。U2ファンはもちろん、宗教そのものやロックとキリスト教の関係に興味をお持ちの方にはとて興味深い内容です。

本には「キリスト教」や「福音派」という言葉が良く出てきて、「宗教なんて胡散臭い」と思っている人には少し嫌気がさしてくるかもしれませんが、ボノを中心にメンバー達も同じように今の宗教に嫌悪感を感じていること、紐解いた信仰心を重んじるために枠を越え、アーティストとして果敢に取り組んできた過程がいかに困難なものであったかを歌詞を引用しながら、また多くのミュージシャンの影響を受けて成長した過程も詳しく書かれています。

宗教に縁遠いという方でも、日本人の道徳心に仏教の教えは生きていますし、紐解いた核にあるものはキリスト教も仏教もかけ離れたものではないことが読み進むに連れ、みえてくるでしょう。
それと同時にスタイル重視の宗教が起こす複雑な現状が浮き彫りにされていきます。

物質文化に生きる現代人の弱さを彼らも同じように抱えながら、向かい風の中で歩み続けるひたむきな姿勢。
U2がいかに核心を歪めず、温度までを伝えるかに力を注いできたのかがよくわかります。
改めて知るその姿勢は、拍手を送ると言うより、心に小さなトゲと勇気を残してくれるものでした。
U2は現代の詩篇作者か預言者か

本書はU2のデビューから最新作にいたるまでの活動の記録を記述しながら、彼らがいかにして熱心な福音派キリスト教徒としての自分たちの信仰と音楽活動を両立し、止揚してきたかを丹念に追いかけたドキュメントです。U2の歌に盛り込まれた様々な聖句、神やイエス・キリストへの言及を分析しつつ、それが単なるポーズでもなく、まして異教・廃教的な立場でさえなく、深く信仰に根ざしており、形式化・形骸化した宗教と化した伝統的教会文化を超えて真の信仰を取り戻す格闘の軌跡であることを理解させてくれます。ツアー道中のバスの中で熱心に聖書を読みふけり、世界を創造された唯一の神が自分に関心をもって十字架を通じて愛を示されたことを信じることがラディカルでカッコいいと述べるボノの信仰は本物です。U2のスピリットを心から本当に理解したい人にぜひ読んでほしい。
U2は現代の詩篇作者か預言者か

本書はU2のデビューから最新作にいたるまでの活動の記録を記述しながら、彼らがいかにして熱心な福音派キリスト教徒としての自分たちの信仰と音楽活動を両立し、止揚してきたかを丹念に追いかけたドキュメントです。U2の歌に盛り込まれた様々な聖句、神やイエス・キリストへの言及を分析しつつ、それが単なるポーズでもなく、まして異教・廃教的な立場でさえなく、深く信仰に根ざしており、形式化・形骸化した宗教と化した伝統的教会文化を超えて真の信仰を取り戻す格闘の軌跡であることを理解させてくれます。ツアー道中のバスの中で熱心に聖書を読みふけり、世界を創造された唯一の神が自分に関心をもって十字架を通じて愛を示されたことを信じることがラディカルでカッコいいと述べるボノの信仰は本物です。U2のスピリットを心から本当に理解したい人にぜひ読んでほしい。



岳陽舎
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U2ファイル (Artist file (10))
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